蔵書 › 毛沢東選集 第五巻 › 社会主義革命と社会主義建設の時期(一)
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農業十七ヵ条にたいする意見をもとめる
(一九五五年十二月二十一日)
これは、毛沢東同志が中国共産党中央のために起草した、党の上海局、各省委員会、各自治区委員会あての通達である。
さる十一月、毛沢東同志が杭州と天津で十四名の省委員会書記および内蒙古自治区委員会書記とそれぞれ相談して定めた十七ヵ条は、一九五六年度の計画に組みいれて、しんけんに実施に取りかかるため、一月十日、党中央の招集する各省・市・自治区委員会書記の出席する会議でこれを確定すべきである、と中央は考える。このため、本電報を受けとりしだい、所属の各地区委員会書記および一部の県委員会書記をあつめて、つぎの点を詳細に検討してもらいたい。(イ)いったい全部実現できるのか、それとも一部実現できないものもあるのか、実現の根拠は各条とも十分であるのかどうか。(ロ)十七ヵ条のほかに、なお補足する点があるかどうか(実行可能なものでさえあれば、補足してもよい)。(ハ)各地は、ただちにこれを一九五六年度の計画に組みいれ、実施に取りかかる用意があるかどうか。以上の諸点について、一九五六年一月三日までに検討を終え、意見をまとめておいてもらいたい。
十七ヵ条の内容はつぎのとおりである。
(一)農業協同化の進度としては、一九五六年の後半で初級形態の組合設立を基本的に達成する。このさい、省・市・自治区(新疆を除く)段階の指標については、組合加入農家数を七五パーセントに達するよう要求するのが妥当である。こうして、下部のほうでこれをやや上回って、八〇ないし八五パーセント前後に達するようにする。
高級形態の協同化は、一九六〇年に基本的に達成するよう努力する。一年くりあげて、一九五九年での基本的達成をめざすことはできないだろうか。そのためには、一九五六年に、各県あるいは各区が――県よりも区のほうがのぞましい――直接に掌握して、それぞれ大型(百世帯以上)の高級組合を一つまたはいくつかつくり、さらに一九五七年にも一定数の組合をつくって、両者あわせて農家総数の二五パーセント前後に達するようにし、これをモデル・ケースとしていくことが必要である。こうすることは可能かどうか。また、小型の組合を大型の組合にするばあい、規模をどの程度にすればよいだろうか。一郷に数組合、一郷に一組合、数郷に一組合――この三者のいずれでもよいのかどうか。全国の組合総数を三十万とするのか、四十万とするのか、それとも五十万とするのか、はたしてどれが妥当だろうか。ソ連では十万だが、わが国では三十数万あるいは四十万が妥当ではないだろうか。また、合併してから昇格するのがよいのか、合併と昇格を同時におこなうのがよいのか、それとも昇格してから合併するのがよいのか。以上の諸点をあわせて検討してもらいたい。
(二)地主と富農の組合加入については、一九五六年から安徽、山西、黒竜江などの省の意見にしたがって処理したらどうだろう。すなわち、よい者は組合に加入するのを許し、よくも悪くもない者は組合員の名称をあたえずに、組合で生産に従事するのを許し、悪い者は協同組合の管制のもとで生産をおこなわせるのである。およそ強力な幹部のいる古株の組合であれば、すべてこのようにしてよい。このようにすれば、利点は多い。ただ、ひとつの欠点は、いまのところまだ組合に加入したがらない上層中農をいやいやながら組合に加入せざるをえないところまで追いこむことになり、しかも、かれらの面目をたててやるためには、地主と富農よりもさきにかれらを組合に加入させなければならなくなることである。これが有利なのかどうか。あるいは一年のばして、一九五七年になってから上述の方法を実行するのがよいのか。この両者のうち、どちらのほうが有利なのか、検討してもらいたい。
(三)協同組合の指導部の構成については、いまの貧農と、もと貧農であったすべての新しい下層中農が三分の二を占め、旧い下層中農と新旧両方の上層中農が三分の一を占めるようにする。
(四)増産の条件。(イ)いくつかの基本的措置を講ずること(内容は追って相談するが、各地にいくらかの差異があってもかまわない)。(ロ)すすんだ経験をおしひろめること(毎年、典型的な事例をあつめ、各省ごとに一本にまとめて出版する)。
(五)一九五六年、すべての省、地区、県、区、郷は、あらゆる必要項目を網羅した全面的な長期計画をたてることとし、県と郷の計画に重点をおく。来年の前半に草案をまとめ、後半に成案をつくりあげ、その後、さらに改めてもよい。計画にふくまれる期間は、少なくとも三年、一番よいのは七年だが、十二年まではかまわない。このことは急いでやらなければならないが、各地ですでに手配が終わっているだろうか。経験がないので、粗雑な計画も多いだろうが、少数の県や郷の計画は、わりあい実際に即したものにして、普及できるようにしなければならない。
(六)牛、馬、ラバ、ロバ、豚、羊、鶏、アヒルの保護と増殖について全面的な計画をたて、とくに幼畜を保護する。増殖計画については追って相談するが、意見をまとめておいてもらいたい。
(七)流域計画と結びつけて、小型の水利施設をたくさんつくり、七年内に、一般の水害と干害を基本的になくすようにする。
(八)七年内に、豊作物をそこなう十数種の病虫害を基本的に根絶する。
(九)十二年内に、荒地とはげ山を基本的になくする。家のまわり、村のまわり、道ばた、水辺、および荒地、はげ山など、つまり、すべての可能なところに、規格どおり植樹し、緑化を実行する。
(十)十二年内に、大部分の地区では肥料の九〇パーセント、一部の地区では肥料の一〇〇パーセントを、その地方と協同組合が自分で解決できるようにする。
(十一)十二年内に、食糧の畝あたり平均収量が、黄河、秦嶺、白竜江、黄河(青海省の域内)以北では四百斤、黄河以南、淮河以北では五百斤、淮河、秦嶺、白竜江以南では八百斤に達するようにする。綿花、油料作物、大豆、生糸、茶、黄麻、甘蔗、果物などの指標については、各地からの計画数字の提出を待って、あらためて相談する。
(十二)七年内に、人民と家畜にもっとも大きな危害をあたえるいくつかの病気を基本的に根絶する。たとえば、住血吸虫病、フィラリア病、ペスト、脳炎、牛疫、豚コレラなどがそれである。各省、各自治区の風土病については、どれが七年内に基本的に根絶できるのか、どれがもっと時間をかけなければ根絶できないのか、どれがいまのところまだ根絶の見こみがないのかを、それぞれ検討してもらいたい。
(十三)四害を退治する。すなわち、七年内に、ネズミ(およびその他の害獣)、スズメ(およびその他の害鳥。ただし、カラスを退治すべきかどうかはまだ検討の必要がある)、ハエ、蚊〔1〕を基本的に退治する。
(十四)七年内に、文盲を基本的に一掃する。だれでも、千五百字から二千字は知っていなければならない。
(十五)七年内に、省、地区、県、区、郷の各種の必要な道路を規格どおりに建設する(そのうち、一部は自動車道路、一部は大きい道路、さらにもう一部は小さい道路)。
(十六)七年内に、有線放送網をつくりあげ、どの郷、どの組合でも有線放送を聞けるようにする。 ,
(十七)七年内に、郷と大型組合の電話網を完成する。
以上の各項について、関係ある諸同志と検討のうえ、一月三日までに準備を終えてもらいたい。中央では、一月四日前後に、まずいくつかの省委員会の書記をあつめ、数日間会議を開いて検討し、一月十日の会議のために意見をまとめておくつもりである。
注
〔1〕 一九六〇年三月、毛沢東同志は、中国共産党中央のために起草した衛生工作にかんする指示のなかで、つぎのようにのべている。「さらに一件。もうスズメは退治しないこと、トコジラミをそれに代える。スローガンは『ネズミ、トコジラミ、ハエ、蚊を退治せよ』とする。」